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黎明輝 (戸建改修) / 東京都
「 袋小路のリノベーション 」
東京都内都心の路地の袋小路にある築24年が経過した建売住宅の改修計画。陽光が届き難く、閉鎖的で暗い印象のある路地を近隣7軒の小さな庭として捉え直し、近所の人々や建主の友人が靴を脱がずにちょっと立ち寄ることのできる場所/外部との関係性を再構築する溜まりの場所「袋小路のホワイエ」を考えた。
建主の将来も見据えて、2Fにあった居間/食堂/台所/その他水回りなどの生活上主要な機能を2Fから1Fに移し、また路地との干渉帯になる小さなホワイエは、駐車場を内部化しガラス天井を持った土間として光を入れて、新しい生活スペースが路地に向けて緩く開かれるようにしている。その他室内は、建売住宅が持っていた家の豊かさ=部屋数という価値観から脱却し、不要な床や壁を取り払い、平面系と断面系の室内のつながりを強く、家全体に風と光の通りを良くし、家族が互いに気配を感じられるようにした。
そうして、その風と光がホワイエに届き、ただ通り過ぎていた袋小路の人々も暗がりに溜まる陽光や団欒姿を共に楽しめる、そんな路地の袋小路になればと思う。近所の人々とのつながりを新たに持ちながら、この住宅を介して袋小路の住人みなの気持ちが少しでも前に向けばと願っている。
ー掲載誌ー
・Casa BRUTUS 2022年11月
・建築知識 2021年9月号
写真 / 稲継泰介
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